第30章 ●復讐
「ここで流されて、また許すのか?」
リヴァイの憂いを帯びた目にドキリとしながら、首を横に振る。
今回はエルヴィンをどれだけ傷つけても、止める気は無かった。
「なら、始めるぞ。俺はずっと我慢してきた。こんなチャンス
与えられて、これ以上我慢出来るはずねぇだろ」
そう言うとリヴァイはナナシの唇をまた奪い、
優しく愛撫を始める。
胸の膨らみを、ゴツゴツとした手が揉みしだき、
ナナシは快楽で嬌声を上げた。
エルヴィンはもう何を言っても無駄だと悟り、
目を瞑り強く唇を噛み締めて何とか耐えようと努力するが、
ナナシの嬌声が聞こえる度に目頭が熱くなる。
ここまで自分はナナシを怒らせてしまったのかと絶望したが、
ナナシに眷属を見捨てさせた身としては当然の報いであると
冷静な部分では理解している。
必死に何も見ず、聞かずを貫こうとしていたが、
リヴァイの「そろそろ挿れさせて貰うぞ」という言葉には、
顔を上げ「やめろっ!」と叫ばずにはいられなかった。
だが、リヴァイはそんなエルヴィンを一瞥しただけで、
押し開く作業をやめなかった。
殴り掛かりたい衝動が全身を駆け巡ったが、優秀なナナシの
能力のせいで下半身は動かず、ギリギリと歯を食い縛る事しか出来ない。
怒りで頭に血が上り過ぎたのか、エルヴィンは目眩を覚え、
視界がぼやけ始めたと認識した直後、突然意識を失った。