第30章 ●復讐
ナナシがスタスタとドアへ近づき扉をノックすると、
すぐにリヴァイが入室してきてエルヴィンは絶句した。
何故リヴァイがここにいるのか・・・?
いや、それよりも今ナナシは全裸でシーツ一枚を
羽織っているだけなのだ。
あられもない姿を他の男になんぞ見せてたまるか、と
エルヴィンは声を上げる。
「リヴァイ!すぐに出て行け。ナナシは今何も着ていない」
リヴァイはエルヴィンを一瞥した後、ナナシの背後に立って
その身体を抱き締め、首筋にキスを落としながら、
彼女の胸も揉み始めた。
それにはエルヴィンも激昂して立ち上がりかけたが、
ナナシが静かに「跪け」と言葉を発した瞬間、
足に力が入らなくなり崩れ落ちる。
激昂した頭でもこれがすぐにナナシの
『同調し相手の動きをコントロールする力』なのだと
わかったと同時に、ナナシが何故自分に媚薬ではなく
血液を飲ませたのかを理解した。
最初からリヴァイを乱入させて、自分にその邪魔をさせない為の
布石だったのだ。
「・・・・んっ・・・!」
思考に落ちていた意識がナナシの艶めかしい声によって
引き戻され目を上げると、リヴァイとナナシが濃厚なキスを
している光景が眼前に映る。