第30章 ●復讐
先程からナナシの行動が全く読めない・・・。
自分を追い詰めるような事をしておきながら、
ご褒美としか思えない行動を取る彼に違和感を覚えつつ、
恐らく最後にこちらはイカせてもらえないのだろうと当たりをつけた。
この前、自分もナナシにそういう事をしてしまった為、
受け入れて然るべきだが、復讐にしてはどうにも生温い気がした。
先程飲まされた液体も媚薬とかではなくナナシの
血液のようだったし、普段聞けないお強請りやいつも必死で
殺そうとする嬌声も今日はフルコースで堪能させてもらっている。
やはり、何だかんだ言ってナナシは自分を愛してくれているので、
今回も仲直りのつもりのセックスなのだろうか?
エルヴィンは普段そんな甘い事は考えないが、
ナナシに関してはいつもの判断力が崩壊する為、
そんな事を考え始めていた。
呼吸が整ってきたナナシがエルヴィンから身体を離すと、
徐ろにエルヴィンのジッパーを下げ立ち上がっている
それを出した。
そそり勃つそれにナナシがフッと息を吹き掛けたので、
エルヴィンは思わず声を漏らす。
「・・・な、ナナシ・・・」
懇願するような声で名を呼ぶと、彼はどこから出してきたのか
紐でそれを縛り、エルヴィンをイケなくした。
物理的な辛さに「グッ」と声を上げるエルヴィンを尻目に、
ナナシはエルヴィンから距離を取りクルクルと踊るように
回り始める。
よく見ていると、その姿が次第に女性体になっていって、
エルヴィンは瞬きも忘れてそれを凝視した。