第29章 エルドの想い
「どうした?して欲しかったんだろう?『まじない』・・・」
「おまえは本当に質が悪ぃ・・・」
頭を抱えたリヴァイに訳がわからないナナシはエルドに
視線を送ったが、彼はリヴァイに同意見のようで
「ですねぇ」と苦笑するばかりである。
「『まじない』をする事がそんなに質の悪い事なのか?
別に呪いではないぞ?」
「そうじゃねぇ・・・って言っても、おまえにはわからねぇか・・・」
諦めるように溜息を吐いたリヴァイに
「ところで、このまじないってのはどんな効果があるんだ?」
と問われ、ナナシは少し言葉を濁す。
この『まじない』は、すればその人間に幸福をもたらすのだが
・・・一つ問題があった。
恐らく縁起でもないと言われるだろう。
言葉を濁すナナシに業を煮やしたリヴァイが強く
「言え」詰め寄ってきたので、ナナシはまず前置きから
話すことにした。