第28章 何故、こうなったのか?
治療が粗方終わり、ナナシが服を着ていると深夜にも関わらず
扉がノックされ、道具を片付けていたリヴァイが「誰だ?」と
応答すると扉の向こうから「ペトラです」という声が聞こえてきた。
こんな時間にペトラが何の用だ?と思わなくもなかったが、
何か急用なのかもしれないと思いナナシが扉を開けると、
ペトラはリヴァイの方を気にしながら小声でナナシに
小袋を差し出した。
「実はエルドからナナシさんの体調が良くないと聞きまして、
これ・・・私が使っている物なんですけど、良かったら
使って下さい」
そう言われて渡されたのは、女性用の・・・生理用品だった。
様々なショックで固まるナナシの様子を見て、
やはり体調が悪いのだと心配したペトラは更に
「あ、中に痛み止めの薬も入っていますから辛かったら
飲んで下さいね。それでもお腹が痛かったら湯たんぽとか
用意しますので言って下さい。それでは失礼しました。
おやすみなさい」
と言ってお辞儀をして去って行った。
ペトラに何も言葉を返せないまま固まっていたナナシは、
暫くして漸く何を言われていたか理解し、背後で気まずそうに
立っているリヴァイに力無く声を掛ける。