第28章 何故、こうなったのか?
独占欲、所有欲の強いエルヴィンが何を思って、
ここまでの事をしたかなど推し量れるものではない。
だが、リヴァイは少しだけエルヴィンの気持ちがわかってしまった。
短い時間しか共にいられないのなら、その間だけでも
自分一人のものにしておきたい。
しかも相手は自分の事を少なからず想っている。
だが、他人のせいでその幸せを掴めなくなりそうだという苛立ちが、
この結果を生んだとしたら・・・
「なぁ・・・さっき、おまえは何を言いかけていた?」
「何も・・・」
「言い方が悪かった。何故、これがおまえの責任になるんだ?」
「・・・・・・・・・」
リヴァイはナナシの様子に違和感を覚えていた。
ここまでされれば、誰だって相手の事を悪く言うだろう。
だが、ナナシはエルヴィンを責める言葉を一度も吐かなかった。
むしろ、自分が悪いとさえ思っているように見え、
それが何故なのかリヴァイは知りたかった。