第28章 何故、こうなったのか?
「・・・私は、この世界の人間と深く関われば関わる程、
罪が重くなる。自分だけなら兎も角、家族同然で一緒に
暮らしていた五人までもが連帯責任として何かしらの罰を
受けねばならぬのだ」
「そんな理由が・・・・」
「この世界」と言ったナナシはやはり普通の人間では
ないのだろうとミケは思ったが、そこは何も追求せず、
何故離婚したいかは充分わかったので良しとする。
だが、その話をしに行って、ナナシのこの状態という事は・・・・
「で?話を聞いたエルヴィンはなんて?」
ハンジはエルヴィンへの怒りが治まらないのか、
口調に苛立ちが見えた。
「・・・離婚は、絶対しない、と・・・・」
ベッドに座り俯いているナナシの声は最後の方は
消え入りそうな声だった。
「それに対するナナシは離婚を主張したんだよね?」
「あぁ・・・」
「それで、エルヴィンは離婚しない理由はなんて言ってたの?」
「・・・・・・・・・・・・」
黙り込んで、何かを考えているナナシにハンジが再度問うと、
その答えが返ってきた。