第28章 何故、こうなったのか?
「・・・そういえば、ナナシはエルヴィンに
何を話そうとしていたんだ?」
ミケは昨日の朝、厩でナナシと会った時
「エルヴィンに少し話したいことがある」と聞いただけで、
何も知らなかった。
その問いにリヴァイとハンジは複雑な表情で、口を濁す。
「あー・・・それは、あたし達の口から言っていいのか
わからないなー・・・」
「あの様子じゃ決裂したか・・・・」
それを聞いてミケは彼らに問い質す事はせず、
ナナシに直接聞こうと思った。
ハンジは普段お喋りで無神経な所はあるが、
他人の重要な秘密については一切漏らさない。
リヴァイも口が固く、この二人が言わないということは、
本人に聞けという事になるのだ。
暫くすると、治療と着替えを終えたナナシが浴室から出てきたので、
ミケは上記の質問をナナシへ尋ねた。
ナナシは言い辛そうにしながらも、助けてくれたミケだけ
知らないのも義に反すると考え、話し始める。
「私がエルヴィンと離婚したい理由を・・・言いに行った」
「理由?何か重大な理由があったのか?」
ミケは意外に思った。
確かにナナシはエルヴィンとの結婚を拒んでいたが、
彼はいつもエルヴィンに甘いので、なぁなぁで終わらせると
ばかり思っていたのだ。