第28章 何故、こうなったのか?
エルドが去ると、ハンジは大きな溜息を吐いて静かに
「ここじゃなんだから、ナナシの部屋に行こう」
と促し、歩き始めた。
リヴァイとミケも同じく歩き出したが、結局部屋に着くまで
誰も口を開くこともなく、重苦しい空気のまま室内に入った。
リヴァイがナナシをベッドに下ろそうとすると、
「すまぬ、そこではなく風呂場まで運んで貰えないか?」と
言われたので、その通りにする。
確かに出血中ベッドの上に座ったら、
シーツまでヤバイ事になるだろう。
冷静な判断が出来なかった自分にリヴァイは内心舌打ちする。
「ハンジ・・・救急箱を貸してくれ」
「待って、一人で処置するの?」
「あぁ、一人でする。・・・やはり人に身体は見られたくないし、
それに・・・・そこを誰かに見られたくない」
その言葉で三人は察して、大人しく救急箱をナナシに渡した。
だが、心配だったハンジは少し食い下がる。