第28章 何故、こうなったのか?
デリケートな問題で体調を崩してしまったという言葉で、
エルドは「女性のあの日か!」と納得し、それ以上口を挟まなかった。
・・・というより、挟めなかったと言った方が正しいだろう。
狂人染みているが、いつも陽気で気さくなハンジの目が
笑っていない事に気づいたからだ。
笑顔なのに、他者を威圧するような空気にエルドはそそくさと
退散する事にした。
よく見れば、ハンジの手には救急箱があり、
後ろに控えているミケも何だか殺気立っているような気がする。
「では、自分はこれで失礼します」
幹部達に敬礼すると、エルドは静かにその場を去った。