第5章 謎の新兵
「本当におまえ誰だよ?リヴァイ班にもう一人いたなんて、
俺聞いてねぇぞ」
「そういうお主こそ誰だ?」
「・・・え?俺のこと知らないのか?結構、
俺有名なはずなんだけど・・・」
・・・有名?
新兵が有名とはどういう意味だろうか?
リヴァイ並みに腕が立つとか・・・と一瞬思ったが、
すぐにそれは無いなとナナシは少年を見て思う。
筋肉量や物腰など、どれをとっても幹部のように
洗練されたものではなく、そこら辺にいる15、6歳の
少年にしか見えない。
「あぁ、新兵だというのはわかるが、知らん。で?誰なんだ?」
少年は一瞬困惑気な表情を見せたが、きちんと名乗った。
「・・・エレン。エレン・イエーガー。おまえは?」
「私はナナシと言う。ペトラ・・・さんに、食事の支度を頼まれてな」
手に持っていたじゃがいもを見せると、エレンと名乗った少年は
「そうだったのか」と納得してくれたようだった。