第28章 何故、こうなったのか?
――夜半過ぎ・・・
古城に着くと、馬の鳴き声で気づいたのかリヴァイが
庭先まで出てきて怪訝な表情をしてきた。
「・・・どうした?てっきり午前中に戻ってくると
思っていたが・・・。・・・何でミケが送ってきたんだ?」
ナナシなら誰かに襲われても返り討ちにしてしまうだろうに
過保護な事だなと、その時のリヴァイはそう軽く考えていた。
だが、ミケの手を借りて馬を降りる姿に違和感を覚え、
リヴァイはナナシが着ていたマントを強引に捲り愕然とする。
「おい・・・これはどういう状況だ?」
険しい表情で送ってきたミケを睨み付けると、
ミケは首を横に振り「まずは、部屋へ」と促した。
あまりこの姿を人目に晒すべきではないというミケの主張には
同意出来たので、リヴァイはあまり人気のない裏口から
入るように案内する。
ボタンが取れているシャツを着て、手首には赤い痕、
何も答えずフラフラのナナシの状況を少しでも見れば、
大体想像がついてしまう。
「あの野郎・・・またやりやがったのか・・・・」