第4章 古城にて
「じゃがいもと野菜が少しか・・・。
相変わらず肉や調味料は高価と見えるな」
「えぇ、ですので今日は簡単に野菜スープ(じゃがいも主流)と
パンにしようかと思っていたんです」
「・・・・・・・・世知辛い世の中だ」
ナナシは膝をつき泣きたくなった。
何故こんなに食生活が酷いのか・・・。
食べられるだけマシなのかもしれないが、
身体が資本の兵士にとっては栄養が足りないだろう。
せめてスープとパンだけの食事は避けたいところだ。
ナナシはペトラへ向き直り、今日のメニューの変更を指示した。
「じゃがいもがメインなのは理解した。
キッシュを作りたい所だったが今日は材料が無いので、
じゃがいものガレットを作ろう!少しは腹が膨れるはずだ」
「はいっ!流石ナナシさんです!食べ物の事になると
右に出るものはいません!」
褒められている気がしないのは何故だろう。
・・・まぁ、良い。
ナナシは腕をまくり夕食の準備に取り掛かった。
大量にあるじゃがいもをいくつも取って皮剥きをしていると、
ペトラが何かを思い出したようにハッとした表情をして
ナナシを見た。