第4章 古城にて
兵服に着替え終わったナナシは、ペトラに古城を案内されたが、
時間が余ってしまった。
リヴァイが戻るまで何をしていようかと思った所で、
先程ペトラが食材を持っていたのを思い出し、厨房へ向かう。
無駄にでかい古城だけあって厨房も広かったが、
ここにナナシを入れて七人しかいないのに
宝の持ち腐れだなという感想を持つ。
食材や調味料はどういうものが置いてあるのかと思って、
あっちこっち見て回ったが、結果ナナシの眉間に縦線が
入るようなものしか置いていなかった。
それを見たペトラが慌てて状況を説明する。
「トロスト区の被害もあって食糧難が酷くなったり、
急に古城へ来たこともあってまだ全然色々と揃ってないんです」
「成程・・・。てっきりまたどこぞの団長様が食費を
ケチっているのかと思ったが杞憂で良かった」
「・・・・・・・はい」
ペトラはあからさまに視線を逸らした。
それを見て、エルヴィンがまた食費よりも壁外調査費や
他の事にお金を回して、食事が粗末なものになっているのだと
推測する。
あれ程食費をケチるなと言ったのに、
これは再会したら出会い頭一発お見舞いしてやろうと
ナナシは心に誓った。