第24章 本音のぶつけ合い
「今度の壁外調査では、かつてない程厳しいものになるだろうからな。
エレンのように巨人化出来る奴が他にもいたら・・・と
エルヴィンは考えているらしい。知性のある巨人は脅威だ」
「対抗するには個の実力を少しでも上げる必要がある。
だからエルヴィンはナナシに訓練メニューの作成依頼をした・・・か。
私情入ってても、ちゃんと団長の仕事はするんだよね~
エルヴィンって」
「その私情の犠牲者は私だな・・・・」
ナナシが暗い顔でそう言うと、ハンジは眉をハの字にさせて
頭を掻いた。
「うん、まぁ・・・そうだけど、ナナシも本気で嫌って
訳じゃないんでしょ?」
「・・・・・・・・・・」
鋭いハンジのツッコミにナナシは押し黙った。
正にそれが問題なのだ。
ナナシもエルヴィンを愛しているが、
立場上それを安易に認める事が出来ない。
エルヴィンは人間で、自分は妖で・・・元々生きる世界が
違い過ぎる。
それは初めからわかっていた事だが、それでもこの想いが
止められず再び舞い戻ってきてしまった。
エルヴィンと再会して、その想いを再認識してからずっと
ナナシは苦悩している。