第24章 本音のぶつけ合い
うんうん唸り始めたナナシに、ハンジは目を伏せながら
「ナナシが悩んでるのってさ・・・」と静かに話し始めた。
「それってナナシが・・・人じゃないって事もあるの?
だから、エルヴィンと距離を置くような事しているの?」
ハンジの言葉に素直に頷きそうになったが、
ナナシは一瞬止まり驚愕の目を彼女に向けた。
「何故、それを・・・」
知っているのだっ!?
自分が人ではない事はエルヴィンとリヴァイにしか公言して
いないはずである。
もしかして二人のどちらかから聞いたのか?とも思ったが、
すぐに二人の口の固さを思い否定する。
ナナシの心の葛藤を察したのか、ハンジは困ったように笑った。
「誰にも何も聞いてないよ。でも、普通に考えれば、
ナナシが人じゃないってすぐわかるって。皆言わないだけで」
その言葉にナナシはまたぐっと息を詰まらせる。
つまり、ナナシは皆の温情で見逃されているだけで
全然人間らしく振る舞えていないという事だ。
はぁぁぁぁ・・・と深い溜息を吐いて、
ナナシはまたテーブルに突っ伏した。
自分のダメさ加減に嫌気が差す。