第23章 卑猥物
まぁ、それ以前にリヴァイはナナシに好意的だったしなぁ・・・・
ハンジが三人の様子を見守っていると、リヴァイが
「もう良い。てめぇはとっとと帰れ」とエルヴィンを
追い払いに掛かる。
「今ナナシは一人で立てる状態ではない。私が部屋まで
送っていく」
「その必要はねぇ。俺が抱きかかえる」
リヴァイが両手を差し出すと、エルヴィンは眉を吊り上げ
「ダメだ!」と拒絶した。
「ナナシを他の男などに任せられるものか!この表情を見た瞬間、
世の男共は発情するに決っている!」
「あ?」
エルヴィンの隙を突いてリヴァイがナナシの顔を覗き込むと、
ビクリと身体を揺らし「こいつはやべぇな」と漏らした。
「こいつは今存在そのものが卑猥物になってんぞ。
何故こんなになるまでヤりやがった!?」
「ナナシは元から卑猥だ。ただ単にそのレベルが上がって
しまっただけで・・・。この姿を見て我慢出来るはずないだろうっ!?」
大いに開き直ったエルヴィンにハンジもナナシの顔を
覗き込むと、「あぁ・・・」と二人の言葉に納得する。
頬を紅潮させ目がトロンと蕩けた状態のナナシは異常な
フェロモンを全身から放出させ、周囲の人間を発情させる
状態になっていた。
血を飲まれた時を彷彿とさせる状況にハンジも頭を抱えたくなる。