第23章 卑猥物
【リヴァイ、ハンジへ。
自分達の知る情報を書き記す。どうやらナナシは婚姻届けとは
知らず、それに署名してしまい、いつの間にかエルヴィンと
結婚するという事になってしまったようだ。それを知った
ナナシは激怒したが、エルヴィンの非情な脅しに屈し
離婚への道も断たれた。そして三日目の夜、以前ハンジが
エルヴィンに渡していた媚薬を使用したらしく、
グッタリしたナナシを横抱きに抱えたエルヴィンを廊下で目撃。
その後、エルヴィンの部屋からは、ナナシの嬌声と家具が
軋む音が朝まで聞こえ続けた。・・・報告は以上だ。
何も出来なかった俺達を許せ】
「もうやってる事犯罪じゃん」と突っ込んでも、
エルヴィンからしたら「これは合意だから問題ない」という
一言で片付けてしまうだろう。
「強姦じゃない。歴とした夫婦の営みだ」
「薬盛った分際で開き直るな!」
リヴァイが怒るのも無理ないな~とハンジは思った。
何故なら先程からエルヴィンに抱かれているナナシが
一言も発さない上、身動ぎ一つしていなからだ。
つまりナナシが動けなくなるまでエルヴィンが抱き潰したという事で
・・・それは調査兵団にとってマイナスな事だ。
それを調査兵団団長が私情でやってしまったのだから、
壁外調査が近いこの時期に「何やってくれてんだ!
この色ボケ野郎が!」となるのは必然である。