第22章 相手は誰だ!?
「これはハンジが調合した疲れが取れる良い薬だ。
毒などではないから安心しなさい」
「・・・どこにも安心出来る要素が見当たらんが・・・
お主、また私に薬を・・・・っ!」
昔、調査兵団に入る入らないで揉めた時にもこの男は
薬を使ってナナシの動きを封じようとしてきた事がある。
また以前のように身体が痺れて動かなくなったら能力を使って
己の身体を操り、エルヴィンをタコ殴りにしてやると
ナナシは殺気立つ。
だが、ナナシの身体に訪れたものは、痺れは痺れでも身体が
動かなくなるようなものではなく、・・・ゾクゾクと身体の奥が
疼くようなものであった。
「・・・・んっ・・・あぁ・・・っ!!」
自然とナナシの口から耳を塞ぎたくなるような声が出始めた時、
エルヴィンが静かに話し始めた。
「これは疲れは取るが、副作用もあってね・・・。どうやら
性欲を増幅させるような効果があるようなんだ。辛かったら
言いなさい。私が楽にしてあげるよナナシ」
―――このクソ野郎っ!!
ナナシは快楽に人一倍弱い。
媚薬成分が全身を蝕みすぐに立っていられなくなってしまったが、
待ってましたとばかりにエルヴィンに抱き止められ、
悔しさで奥歯を噛み締めた。