第22章 相手は誰だ!?
本部に着て三日目の夜・・・・
ナナシは期日通り兵士達の身体能力を纏めたレポートと
訓練メニュー表を提出しにエルヴィンの元を訪れた。
正直昨日嵌められた事で精神がかなり疲弊しているが、
公私は分ける主義なので寝る間も惜しんでレポートを
作成して今に至る。
・・・というか、仕事をしていなければ、結婚云々の事を
思い出して腸が煮えくり返ったり、でもちょっぴり
嬉しかったり等など複雑な心境に陥るので、
没頭できる仕事があって本当に良かったと思う。
山のように積み上がったレポートに目を通し終わったエルヴィンは
満足そうに頷くと「詳細なデータをありがとう」とナナシに
笑顔を向けた。
「この短期間にここまで出来るのは君だけだよ、マイワイフ」
「もう部屋に帰っていいか?疲れて眠い」
『マイワイフ』という言葉を無視したナナシが欠伸をしながら
踵を返すと、背後から「まだ用件がある」と声を掛けられたので
面倒だなと思いながらも振り返る。
すると、いつの間にかエルヴィンはナナシの近距離に迫っていて、
あまりの近さに思わず身を退きそうになった。