第21章 男のロマン
「あぁ・・・何て可愛いんだ、私の嫁は」
「おまえの嫁じゃないだろ、ナナシは」
「『まだ』な」
「俺達までおまえの都合に巻き込むな」
物陰からナナシを見つめるエルヴィンはただのストーカーにしか
見えずミケとオルオは溜息を吐いたが、ここでナナシ達に
合流しようとすれば間違いなくエルヴィンの怒りを買うので
それも出来ない。
陰湿な嫌がらせを受けるのは間違いないだろう。
自分もそうだが、巻き込まれたオルオが不憫で仕方ないと、
ミケは思った。
団長と分隊長に囲まれたオルオは顔面を蒼白にさせながら、
目を泳がせている。
「そんな事よりもオルオ、君に使いを頼みたい」
「は、はいっ!?何でしょうか!?」