第21章 男のロマン
「ずっと一定距離を保ったまま団長達が着いてきてるんですけど
・・・あのままで良いんですか?」
ペトラの指の先を見れば、ストーカーのように後を着いて来る
エルヴィン、ミケ、オルオがいて、ナナシとナナバは
思わず半眼になってそちらを睨んだ。
「あぁ、あれは気にしないで良いよ」
「むしろ気にしたら負けだ。相手にしないように」
はっきり言って、ミケとオルオはとばっちりで此方に
来られないだけで可哀相だと思う。
エルヴィンを差し置いて此方に来た暁には、陰険なイジメが
発生するに違いない。
ペトラに着いてきただけのオルオなんて幹部に囲まれて
顔色が悪くなってしまっている。
「全くオルオの奴・・・着いてきたいなら、はっきり言いなさいよ・・・」
頬を膨らませながらポツリと呟いたペトラに、ナナシが
「声を掛けてきたらどうだ?」と提案すると、彼女は
真っ赤になって勢い良く首を横に振った。
「良いんです!これから行く所は下着屋だし・・・
あいつにいられると迷惑なんで・・・」
「?・・・そうか」
首を傾げる鈍感なナナシにナナバは苦笑しながら、
早く行こうと二人を急かした。