第21章 男のロマン
突然エルヴィンから声を掛けられたオルオは声を上ずらせながら、
背筋を伸ばした。
エルヴィンは懐から封筒を取り出すと、
「これを提出してきてくれ。一刻も早くだ。そして、
これを提出した証も貰ってきて欲しい。やってくれるか?」
と言ってそれをオルオに渡した。
オルオは力強く心臓に手を当てると「了解しました!」と
言って走り去っていった。
ここで団長の頼みを断る部下など存在しないだろうと
ミケがエルヴィンを呆れた目付きで見つめながら尋ねる。
「オルオに何を渡したんだ」
「時期が来たらおまえにも話すよ」
エルヴィンはフッと微笑うと、下着屋に入って行ったナナシ達を
追うようにそのままその店に入って行った。
「・・・殺されても知らないぞ、エルヴィン」
自然な動きで下着屋に入っていってしまったエルヴィンに
そう呟きながらも、ミケも下着屋に用があるので店に入った。