第21章 男のロマン
「全部、燃やせ」
「断る!あの部屋が嫌だったなら、私の私室に行けば
良かったじゃないか!逃亡して自室に立て籠もるなんて
酷過ぎる!」
酷いのはどっちだ!?とナナシ、ミケ、ナナバは心の中で
叫んだ。
あの部屋を見た後で、そんな気分でいられる人間がいるのなら
是非お目にかかりたいものだと思う。
「お陰で仕事は捗った。仕事は現実を忘れさせてくれたからな・・・」
「あぁ、一晩必死に現実逃避をしていたのか」とミケとナナバは
理解したが、元凶であるエルヴィンはどうしてそうなったか
理解出来ていないようで、尚もナナシに詰め寄っている。
「君の仕事が捗ったのは結構な事だが、私の下半身は今でも
元気なままで大変だ。私を助けると思ってこれから・・・」
「断る!今日はこれから少し街まで行って必要な物を
買いに行く予定だ。誰かさんが下着を全滅させてくれたお陰で、
私は一晩ノーパンで過ごす羽目になったのだぞ。今日こそは
洗い替えの下着が・・・・って、おい。何だその絶望した顔は・・・」
昨夜、下着を洗って乾かしていたせいでノーパンで過ごした事を
暴露すると、エルヴィンはあからさまにショックを受けた
表情で固まっていた。
「・・・・ドアを蹴破ってでも、ナナシと過ごすべきだった・・・。
まさか、ノーパンという魅惑的な姿で眠っていたとは・・・」
「・・・・服は着ていたぞ?全裸じゃない」
何やら誤解していそうなのでそう訂正すると、
エルヴィンは拳を握って声高に宣言した。