第21章 男のロマン
「よし!私も君の下着選びに同行しよう!任せてくれ!」
「ふざけるな!お主はただ私に金を提供していれば良いのだ。
着いて来るなよ、絶対!」
変な下着を選ばれそうなのと、どんな下着を持っているのか
知られるのが嫌だったナナシが即答すると、エルヴィンは
眉尻を下げて「そんな・・・」と嘆く。
哀愁を漂わせるエルヴィンだが、ここで容赦したら
絶対図に乗るので敢えて冷たく当たる必要がある。
「あ、じゃあ私も一緒に行って良い?モブリットがハンジの
洗い替えのパンツが無いって嘆いてたから、近々買いに
行こうと思ってたんだ」
ナナバが思い出したように提案してきたので二つ返事で了承すると、
エルヴィンが恨みがましい目で見つめてきたが無視を決め込む。
するとミケまでもが「俺も行く」と言い出したので、
エルヴィンの怒りの矛先が彼に向かった。
「ミケ、おまえまでも下着が無いというのか?支給品のが
あるだろう?」
「おまえと同じで支給品ではサイズが合わない。そろそろ
新しいのが欲しかった」
「無理矢理捩じ込め」
「無茶を言うな」
ギリギリと睨み合うエルヴィンとミケを無視してナナシと
ナナバはさっさと席を立ち、「買い物に行きたい」と言っていた
ペトラを誘って街へ繰り出すことにした。