第3章 再会
多分、自分はオルオなら殴れるが、ペトラだったら殴れない。
(別にオルオが嫌いとかでなく、キャラ的に許される気がするだけ)
しかも、逃げたら全部ペトラ(リヴァイ班)のせいにされるので、
以前散々世話になった身としては、それをする事が憚られた。
リヴァイの人選は嫌な方向に完璧だった。
「な、なぁ、リヴァイ、エルヴィンに私の事は言わないでくれ」
「ダメだ」
ダメ元でお願いしてみたが、素気無く却下されナナシは
頭を垂れる。
リヴァイはエルドの馬にナナシを乗せると、
グンタと共に猛スピードで走り去って行った。
それを見送ったエルドはナナシに
「では、参りましょうか」と声を掛け、馬を走らせる。
雁字搦めに縛られたままでは不安定だった為、
自然とエルドに抱かれるように身体を密着させる形になり、
エルドの困惑が伝わってきた。
エルド曰く、「団長にバレたら、罰せられそう」だそうだが、
ここには嫉妬深い団長様はいないので
「バレなきゃ良い」としか言えない。
エルドは拘束されたナナシに気を遣ってか、
そこまで速く馬を走らせなかった。
古城までの道中ポツポツとナナシがいなかった間の事を
話してくれる。