第3章 再会
「ナナシさんっ!?」
「もう身体は良いんですかっ!?」
二人は性急に馬から降りて、ナナシの傍へ駆け寄ってきた。
心無し涙ぐんで見えるのは気のせいだろうか?
『病気が悪化して遠くで療養中』という設定だったのを思い出し、
ナナシは不本意ながらも心配してくれたであろう二人に挨拶する。
「久し振りだな、エルド、グンタ。息災で何よりだ」
「ナナシさんこそ、元気そうで良かったです!
こうしてまた会えるなんて・・・」
「うん、だが・・・あまり外にいるのも良くないだろうから、
私はもう帰・・・・ぐえっ!!!」
グンタにそう返そうとしたら、リヴァイに軽く首を絞められた挙句、
自由だった両手もワイヤーで拘束されてしまった。
ぎょっとした二人に、リヴァイは上官命令を下した。
「エルド、今からナナシを古城まで連行しろ。絶対逃すな。
古城に着いたら、ペトラに言って兵団服をこいつに着せて
待機だ」
「は、はい!」
「グンタ、おまえは俺と一緒にまた本部に行くぞ。
ナナシが戻った事をエルヴィン達に報告する」
「了解しました!」
訳がわからないまま話が進んだがエルドとグンタは
目を白黒させながらも、上官命令に従う。
リヴァイはエルドに念を押すように
「絶対ナナシを逃すな。逃したらエルヴィンから
拷問付きの懲罰を受けると思え。良いか、古城に着いたら
ペトラを付けさせろ。こいつは基本女は殴れない」などと言って
脅しなんだか助言なんだかを言って彼を震え上がらせていた。
ナナシはそれを聞きながら、リヴァイはよく自分の事を
わかっているなと嬉しくない感心をする。