第19章 『神』という存在とは・・・?
「俺はそんな信心深い人間じゃない。だが、もし君が『神』と
呼ばれる神聖な存在だったなら、頑なに俺を拒む理由も
そこにあるのではないかと思って・・・。人間が『神』に
恋をして添い遂げようと企むなんて、罰当たりな話だろう?
許される事ではないはずだ」
「罰当たりだと思うなら、お主は私を手放すか?」
「まさか。俺は君が『神』であろうとなかろうと欲しい!
君が全知全能じゃないこともわかっている。そして、
そんな所が愛しいと思うんだ。だが、今更ながら君の立場も
考えてしまう。君の言う通り『神』が人間に無干渉であったなら、
干渉してくれる君は大丈夫なのかと。課せられた『制約』の件を
聞いて、君は無理をしているんじゃないかと不安になった」
「・・・・エルヴィン。お主がそんな事を考える必要はない」
「否定は・・・しないんだな」
「これは私が選んだ事だ。後悔もしていない。お主だって
今歩んでいる道を後悔していないだろう?それと同じ事だ」
「・・・・君は・・・強いな・・・」
「強くなんかない。ただ、強くあろうと足掻いているだけだ」
「足掻いているそんな君が愛しくて堪らないよ」
チュッとナナシに軽く唇を落とすと、エルヴィンはナナシを
ベッドに押し倒し、更にキスの雨を降らす。
「あぁ・・・君が神様だったら、俺は今神聖なものを
汚しているのだろうか」