第3章 再会
リヴァイに捕まったナナシが不貞腐れた顔で彼を睨みつけると、
彼は盛大な溜息を吐いた。
「・・・おまえ、もしかしてまた一人でグダグダと
妙な事考えてんじゃねぇだろうな」
リヴァイは野生動物のように勘が鋭いので、
ドキッとする事が多い。
ナナシが沈黙していると、リヴァイはその手を取って
土で汚れた手をハンカチで拭いながらポツリポツリと話し始めた。
「今度は何を悩んでるかは知らねぇが、おまえがいなくなってから
色々な事があって、おまえの力がまた必要になった。
・・・詳しくはまだ言えねぇが、どうしてもおまえに
会わせたい奴がいる」
会わせたい奴とは一体誰のことだろうか?
リヴァイの口振りからしてエルヴィンでは無いのだというのは
察せられた。
しかも「詳しくはまだ言えない」という事から、
何か機密事項関係だろうか?
彼が調査兵団本部ではなく古城にいる事とも関係するのだろう。
ナナシが大人しくハンカチで手を拭かれていると、
リヴァイ班のエルドとグンタが馬でやってきて、
ナナシの姿を認めると目を見開いて驚いたようだった。