第18章 変態なのがバレました・・・
有無を言わさずエルヴィンの所まで三人を連行したナナシは
何から話すべきか悩んだ。
本当のことを話してしまったら、エルヴィンがただの変態だとバレ、
団長としての威厳が失墜してしまうだろう。
だが、だからと言ってナナシが泥を被るのは絶対嫌だ。
ナナシは深呼吸を何度が繰り返した後、
何故か正座して縮こまっている三人に事情を説明した。
「誤解されると困るから言うが、私は意味もなく暴力を振るう
趣味は無いぞ?ただエルヴィンが・・・・人の物で勝手に
何やらやらかしてくれたので説教をしていただけだ。
断じてドSとか一方的なものではない」
「・・・・あ・・・・はい・・・何か・・・少し話、
聞こえてましたんで・・・・・」
仄暗い瞳で床を見つめながらアルミンが言った一言に
ナナシは「うっ」と言葉に詰まる。
―――エルヴィンの変態が露呈してしまった!
何と言おうか迷っていると、同じく仄暗い眼をしているジャンが
ナナシに問い掛けた。
「っていうか、あんた一体何者なんだ?団長に馬乗りになっても
咎められないなんて、只者じゃないだろ?」
「そ、それは・・・・・」
「ナナシは私の恋人だ」
「うおおいっ!?」
ナナシが言い淀んでいる間にエルヴィンがキッパリと
答えてしまったので、ナナシは両手でエルヴィンの口を塞ぐ。
エルヴィンは目だけを動かし、不満そうにナナシを見下ろしたが、
ナナシとしてはエルヴィンの恋人ポジションなどに収まって
彼の未来の邪魔をしたくないという想いがあるので
引く訳にはいかない。