第18章 変態なのがバレました・・・
不穏な空気を察したアルミンが心配そうな表情で
エルヴィンを見遣ったが、団長として情けない姿は見せられないと
毅然とした態度でエルヴィンは応じる。
それはもう勇気を総動員させて、だ。
目の前にいる未来の嫁が激しく恐い。
「心配されるような事は何も無い。問題ないよ。
君達は訓練に戻りなさい」
「は、はい!失礼します!」
「失礼します」
アルミンとミカサは頭を下げて去って行った。
二人の姿が見えなくなった瞬間、エルヴィンはスタートダッシュで
逃走を試みたが、それよりも早くナナシの足払いが
綺麗に決まり地面に這い蹲る形とってしまった。
「ま、待てっ!話せばわかる!」
「よし、では答えて貰おう。私の着替え・・・特に下着を
どうしたか言えるもんなら言ってみろ!」
エルヴィンは大仰に溜息を吐いて上に乗っかるナナシを
真正面から見つめた。
「話せば長くなるが、君がいなくなった後私の心は
うさぎのように寂しさに打ち震え、心を支えるものが必要だった。
心の支えだった君はもういない。何度その現実に涙したことか・・・。
それは君にもよくわかるだろう?自然と足は君が使っていた部屋へと
向かい、君の残り香がある部屋で再び涙を零した。最初は
ベッドで眠るだけで何とか寂しさを紛らわしていたのだが、
それも数日と保たなかった。寂しくて寂しくて私は
死にそうになった。だが、私が死んでは人類の解放が
遠退いてしまう。何とか自我を保つ為に何か無いかと
熟考した結果、クローゼットを開けてみた。
そうしたら君が使っていた衣類や下着が目に入り、
条件反射の如くそれを手に取ってみると、身体が勝手に
それを顔面に押し付けていた。ベッドとは比較にならないほどの
残り香を感じた私はそれらに顔を埋め倒して心と自分の息子を
慰め・・・・いだだだだだっ!!」
「言いたい事はそれだけか!?この変態がああああああああああああっ!!」