第18章 変態なのがバレました・・・
水を頭から被ったナナシはまだ濡れたままだ。
アルミンが話を打ち切り「着替えはあるんですか?」と
ナナシに尋ねてきたが、ナナシ自身あるかどうかわからなかった。
何せ一年半も調査兵団から離れていた身である。
エルヴィンは部屋は残してあるとは言っていたが、
着替えなどまで残されているかどうかは聞いていない。
・・・・特に下着類に関しては。
嫌な予感を過ぎらせながらナナシが「問題無い」と
答えようとした瞬間、アルミンとミカサが恐怖の表情を
浮かべ固まった。
二人の視線はナナシの背後を見ており、ナナシも「何だ?」と
思って後ろを振り返ると、そこには柱から半分だけ顔を出して
こちらを凝視するエルヴィン・スミスがいた。
心無し瞳孔が開いている気がするのは気のせいだろうか?
・・・非常に恐ろしい。
ナナシがエルヴィンを見ていると、彼はツカツカ歩み寄ってきて
着用していたジャケットをナナシに羽織らせた。
「・・・ナナシ、何故ずぶ濡れになっている?」
感情を押し殺したような声で問われ、事故で誤って
水が掛かってしまったのだと告げると、秀眉が寄せられる。