第17章 104期生
「・・・・おまえ、もしかしてイエーガーの方も見ているのか?」
「あぁ、むしろそっちが本命だ」
「それを聞いて少し安心した。おまえほどの手練が
いてくれるなら心強い」
そう言ってネスは去って行った。
彼の態度からエレンは本当に調査兵団の中でも
浮いた存在なのだと知れ、不憫に思う。
エレンは人間に害を為すただの巨人ではないはずなのに、
皆からは遠巻きに見られ、時には白い目で見られているのだろう。
ネスはエレン個人に対して嫌悪感は無さそうだったが、
警戒心は抱いているようだった。
「可哀相だな・・・・」
エルヴィンにエレンが仲の良い104期生と会えるように
進言しておいて良かったとナナシは心底そう思った。