• テキストサイズ

夢追い人の君へ捧げる【進撃の巨人 エルヴィン】

第16章 どうしようもない男










「・・・それで、何の話があったのだろうか?
エルヴィンは・・・・」


昔のように花茶を淹れ、優雅にお茶を飲むナナシは
漸く本来の目的を思い出したらしく、持ってきた荷物から
書類の束を出したが、エルヴィンは廃人となっている為、
代わりにミケが答える。


「エルヴィンの用件は、エレンの経過報告とナナシがいない間
入団した兵士のデータ収集及び、簡単な訓練メニュー作成だが
・・・・・本音としては少しでもおまえと一緒に
いたかったんだと思う。おまえが泊まれるように
残していた部屋を綺麗に掃除してたからな・・・」

「ふむ・・・・」


後半は聞かなかった事にして、ナナシはエレンの報告書を
テーブルの上に広げた。


「まだまだデータ不足だが、一言で言えばエレンの技量は
何もかも足りぬ。それで、私がいない間、入団した者の人数は?
名簿があれば助かるのだが・・・」

「エルヴィンが持っているはずだが・・・・・」


チラリとミケはエルヴィンに視線を向けたが、
彼はまだ廃人のまま戻ってきていない。


あのエルヴィンがこうなるなんて、一体どんな痛みを味わったのやら・・・。


ナナシは深く溜息を吐くと、徐ろにエルヴィンの上に乗っかり、
チュッと彼の厚い唇にキスを落とした。






/ 358ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp