第15章 エレンの幼馴染
ナナシは女の子であるミカサを慰めるべく、彼女に耳打ちする。
「あんな事を言っているが、あんな素直な反応をしたのは
お主達が来てからだぞ。エレンはお主達に会えて余程
嬉しかったに違いない。少しツンツンしているが、
気は落とさない方が良いぞ」
「はい、私はエレンの事を理解している。ので大丈夫です」
コクコクと頷き合うナナシとミカサにエレンは頭を抱え、
アルミンが慰めるように肩をポンポンと叩いた。
「エレン・・・ナナシさんは完全に勘違いしちゃったみたいだけど、
仕方ないよ」
「何が仕方ないんだ?アルミン」
「うん、本によるとナナシさんは恋愛方面が壊滅的なんだってさ。
団長ですらとても苦労しているって書いてあったから、
今回勘違いしちゃったのも頷けるんだ。ミカサはエレンには
過保護だから・・・」
「誤解されたのは全部ミカサのせいかっ!」
文句を言おうとするエレンを「余計ややこしくなるから、
やめなよ!」とアルミンが必死に抑える。
エレンとアルミンが揉み合っている間に、
何が起きたのかナナシとミカサが固い握手を交わしていたので、
エレンは絶句した。
どうやらまた何かナナシは誤解をしたようだと直感でわかる。
エレンは泣きたい気持ちになりながら、
ミカサとアルミンに「もう帰れよ!訓練の邪魔すんな!」と
怒鳴りつけた。