第15章 エレンの幼馴染
「私のエレンを宜しくお願いします」
ミカサもナナシに深々頭を下げた。
そのやり取りを見ていたエレンとアルミンは放心するしかない。
一体どうすれば、そういう事になってしまうのだろうか?
アルミンには、ミカサがエレン命なのはわかりきっている事で
「ミカサは恋人と言われて嬉しかったのか」と納得できるが、
エレンとしては到底納得出来るものではなかった。
「勝手に決めつけないで下さい!それに、ミカサ!否定しろよ!
俺とおまえは幼馴染で家族同然の関係だろう!?」
「エレン・・・・」
ミカサは少し傷ついた表情でエレンを見たが、
エレンはミカサの恋心に気づいてない為、それに全く気付かない。
一方、勝手に決めつけるなと言われたナナシは、
エレンの言った「家族同然の関係」という言葉を
また違う方向に脳内変換した。
・・・成程、夫婦同然の仲、という事か。
それならば、エレンのツンツンな態度も頷ける。
近くにいればいるほど、その人に甘えてしまい
辛く当たってしまう場合があるのだ。
エレンも恥ずかしくてそんな態度を取っているのだろう。
思春期の子供は兎角難しいものだ。