第13章 駄々
「ナナシ、数日後一度本部に来てくれ。エレンの訓練内容と
どれほど強く出来るかなどの報告が欲しい」
「わかった。明々後日で良いか?」
「出来れば明後日で」
「それでは正確なデータが出ているかわからぬぞ?」
「それでも構わないから一度本部へ。君の部屋はそのまま残してある」
「・・・わかった」
ナナシは何となく納得がいかないような顔をしていたが、
それ以上何も言わず頷いた。
厩へ向かうとエルヴィンの馬の準備をしていたエルドと
自分の馬の世話をしていたリヴァイがいた。
リヴァイはエルヴィンを見遣ると「帰るのか?」と簡潔に問う。
エルヴィンも手短に「あぁ」とだけ言うと、
エルドから馬を受け取り、三人に「後は任せた」と言って
颯爽と去って行った。