第13章 駄々
その姿だけ見れば惚れ惚れする程良い男なのに、
何故中身があんなにも残念なのかと溜息が出る。
その溜息を見て、何を思ったのかリヴァイが
「エルヴィンがいなくなって寂しいのか?」と尋ねてきたので、
ナナシはキョトンとした。
「いや・・・そういうのではなく・・・」
「じゃあ、どういうのだ?」
眉間の皺を濃くしながら聞いてくる男に、
ナナシは率直な感想を述べる。
「外見は完璧なのに、何故あぁも性格が残念なのかと・・・・」
「あぁ、成程」
リヴァイはそう言ってあっさり去って行った。
彼が何に納得したのかナナシにはよくわからなかったが、
内情を知っている上、機微に敏いエルドがコッソリ教えてくれた。
「兵長はちょっと嫉妬したんだと思いますよ」
「何にだ?やはりエルヴィンの外見に?」
「・・・・違います。ナナシさんは一年半経っても変わりませんね・・・」
少し呆れ顔になったエルドに、ナナシはますます首を傾げるのだった。