The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第8章 Device ー仕掛けー
「……何処がだよ。
充分怒ってんじゃねぇか。」
『……じゃあ、
言わせてもらうけど……っ‼』
狼狽えたような、困惑したような……。
そんなザックの声に、
私は彼に向き直って大きな声で叫んだ。
私の声が、その場に
ーキンッ__ー
と響いてこだました……。
『……貴方って、本当に最低っ‼
お墓を壊してしまうなんて……、死者に対する冒涜だよ‼
……ここで怯えて、苦しんで……
挙げ句の果てにこんな場所で死んでしまった……。
でも、それでも……__
こうして、綺麗に弔ってもらえた。』
私は泣きそうになってしまい、そこで一旦言葉を切って、無残に破壊されてしまったお墓に視線を落とした。
そうして、大きく吸った息を1度全て吐き出してこう続けた。
『……それなのに、こんなことをして……。』
涙ぐんだ私の、鼻声っぽい声にザックは困惑したように続けた。
「……どう思おうが、
どう考えようが…。
結局は俺の勝手だろ……。」
その言葉が、私の荒れた心を更に逆撫でた。
『……そうだね。
…でも、そんな貴方の身勝手、私は大嫌いだよ。』
「……そーかよ。」
冷たくそう吐き捨てた私に、ザックは決まりが悪そうに短く答えてから、静かに私にへと歩み寄ってきた。