The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第8章 Device ー仕掛けー
「……っしゃあっ‼」
ザックが全てを破壊し尽くしたその時、彼は達成感のようなものの感じられる声を上げた。
『…………。』
「……あ?なんだよ、悠。
その何か言いたげな視線は……。
……つーか、俺…、何してたんだっけ?」
『……仕掛け。』
じとっと彼を睨めつけた私の視線に気づいたザックは、間抜けな問いを私に投げかけた。
私は不機嫌な声音で短くそう答える。
だが、きっとザックにはその気持ちは伝わっていないのだろう。
ザックは、
「……ああ、仕掛けか…。
そーいや、そんなこと言ってたな。
……壊すばっかで墓もろくに見てなかったしな…。」
と言ってつるはしを放り捨てて、自身の頭を掻いた。
『……はぁー。
……とりあえず、何か探すよ。』
「……おー。
……つか、お前、何怒ってんだよ…。」
相手の様子に苛立った私は、不機嫌そうな低めの声音でそう答えた。
すると、今度はザックがそう訊ねてきたので、更に苛立った私は同様に
『怒ってない…。』
とだけ言わせてもらった。