The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第8章 Device ー仕掛けー
ー 第2墓場____ ー
私は最初の場所に戻った。
そこにも、第1墓場で見た物と同じような石碑を見つけた……。
ー __清らかにならざる者の墓 ー
ー __主にも天使にも望まれぬ哀れな者たち ー
ー __土に埋もれ、地に落ちて浄化されるのを待て ー
私はその石碑に彫られた言葉をじっと見つめて、その冷たい岩肌を撫でた。
「……おい、悠。
ついてこい。」
『……は?』
ある程度離れていたはずのザックが、いつの間にか私の近くに来ていた。
その包帯で覆われた右手には、いつの間に拾ったのか、土で汚れたつるはしが握りしめられていた。
左手には無論、彼の愛用……?の、大きな鎌があった。
『……え、ちょ……ちょっと。
何をするつもりなの。
そのつるはし、どうするつもり……?』
「……ったく、うるせぇな。
ごちゃごちゃ言ってねぇで、黙ってついてこい。」
困惑して戸惑った声を上げた私に、ザックは面倒そうに溜息混じりにそう言って、つるはしと大鎌を左手でまとめて持つ。
それから、動こうとしない私を見かねたのか……、私の腕を少し乱暴に掴んで、ザックは半ば強引に私を引っ張るような引きずるような形で歩いていく。
……なんだか、少し…、怖い…………。
第1墓場に私を引きずるようにして戻ったザックは、レイが入っていった亀裂の辺りに私を放ると……、
「……そこで待ってろ。」
とだけ短く言い放った。
『……はいはい。
わかったよ。』
……本当に、何をするつもりなんだろう……?
私は疑問に思いつつも、気にする気にもなれずに、1つ溜息を吐いてから適当な生返事を返してそれに従った。