第8章 Device　ｰ仕掛けｰ

「……ったく。
　探すっつったって、こんな場所には墓石しかねぇだろ。」


それから少しして、ザックが苛立った声音で舌打ち混じりにそう吐いた。


『……嫌なら、私1人で探してくるけど。』

「お前は1人になるな。」


私がそう言うと、ザックが強くそう言った。


『……。
　だから、私はそんなに弱くないって…言って……』

「うるせぇ。
　お前も一応、俺に守られてろ。」


"そんなに弱くないって言ってる。"
そう言おうとしたが、ザックの声にそれを遮られた。


『……一応、ねぇ……。』


微妙に気恥ずかしさが残ってしまい、私は少し赤く染まって熱を持った自分の頬を軽く掻いてそう言った。


一応という言葉が……、


"二の次……__"


その時、そう言われてるみたいで、私の心がズキリと痛んだのも確かだった……。


『わかったよ。
　……じゃあ、探そう。手がかりを。』

「……おー。」


私は1つ溜息を吐いて歩き出した。
そんな私の背中にザックが続いて歩いてきていた……。