The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第7章 Floor B4 ー地下4階ー
「……まだ墓があんのかよ。」
私に続いていたレイとザックのうち、
ザックが明らかに不快そうな声を上げる。
『……そうみたいだね。』
ー……カチャー
私は溜息混じりにそう零してから、保存室の反対側の通路にあった"第1墓場"の鍵を開けた。
ドアを開けてすぐに目に飛び込んできたのは、大きな石碑だった……。
私はその石碑の文章を読み上げてみた。
ー __望まれた者達の聖地! ー
ー __主に望まれた者、清らかな者 ー
ー 天使の寵愛者、特別な者 ー
ー __素晴らしき光栄にその身を眠らせろ ー
ー __ただし、 ー
ー __主を裏切りし悪魔の魂は ー
ー ここが永遠の牢獄となる。 ー
……相も変わらず、意味がわからないな……。
私がその石碑を見つめていると、レイが1人で奥へと歩いていく。
ザックも、レイに続いて奥にへと歩いていった。
「……名前が書いてある……。」
「……あ?
墓石なんだから当たり前だろーが。」
私は歩いて2人に近寄る。
すると、レイの小さな呟きが聞こえた。
それに対してザックはイラついたような、呆れたような……そんな声を上げた。
レイは、尚もじっとその墓石を見つめている……。
私は2人に歩み寄ってから、その墓石を覗き込んで絶句した。