The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第7章 Floor B4 ー地下4階ー
『……レイ。
そういえば、それ……結局何だったの?』
訊ねると、レイは私を見上げそれを指さして答えた。
「……[保存室]って書いてある。
たぶん、何処かの部屋の鍵なんだと思う……。」
『……そっか。』
「……部屋を、探そう。」
レイはすくっと立ち上がり辺りを見回す。
私もキョロキョロと辺りを見回した。
……すると、部屋の名前が書かれたプレートが視界を掠めた。
ー 保存室 ー
『……レイ、あった。
あの部屋だよ……‼』
人差し指1本で指し示すと、レイとザックは2人で揃って私の指先の方向を見やる。
「おし。んじゃあ、さっさと行こうぜ。
さみぃし、土くせぇし……このフロアは早く出てぇんだ。」
「……急ごう。」
『うん。』
ザックと私は、先に歩いていくレイに続いて保存室にへと歩を進めた。
レイが鍵を鍵穴に差し込む。
ー……カチャリー
軽い音がして、ドアはレイによって開け放たれた。