The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第7章 Floor B4 ー地下4階ー
私は殺人鬼とは思えない、
殺人鬼らしからぬ、そんな彼の言動に翻弄されて動揺した。
困った私はそのまま絶句してしまった。
「……良いと思う。
悠と彼が仲良くなってくれたら、私も嬉しい。」
レイのそんな言葉に、私は思わず笑ってしまった。
さっきまで自分の事を殺そうとしていた"殺人鬼"に、対して……
"仲良く"……だなんて、
普通では到底考えられないだろう……。
私はふっと微笑って、
それからこう答えた……。
『……うん。そうだね。
これから、一緒にここを出なくちゃならないんだ。
仲良くしなきゃね…。
……よろしくね、ザック…__』
「……おー。」
私が言うと、
彼は何故か照れくさそうに自身の頬を掻いた。
……私は、そんな彼の様子を見てから
……穴の中の、もう原型をとどめていない…
あとは朽ちて、土に戻っていくだけのその亡骸の哀れさを思い、胸が苦しくなった……。
レイも、嫌になったのか…、拾い上げた何かをまじまじと見つめたまま、もうその亡骸を見つめることは無かった……。