The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第7章 Floor B4 ー地下4階ー
『っ!?!?
な、何してるの……っ!?』
「……何って…、傷なんか舐めときゃ治るだろ。」
『馬鹿じゃないの!?
だからって、舐めることないでしょっ‼
……レイだって見ているのに…。』
そう叫ぶも、恥ずかしさからか……私の声は徐々に小さくなっていく。
顔がカーッと一気に熱を持っていく。
たぶん……今の私の顔は、誰が見ても真っ赤なのだろう……。
「……あまり、悠をいじめないで。」
「あ?
いじめてなんかねぇよ。
……ほら、行くぞ。」
殺人鬼に向かってそう言ったレイにそう答えた殺人鬼は、レイと私をおいてけぼりにして、先を歩いていく……。
その幾らか高い背中を、私は少しだけ睨んだ。
……でも、何故だろうか……。
さっきの彼のあの行為は、憎めなかった……。
…って、違う違う‼
あれはキスなんかじゃない‼
……まだ、初めては訪れてないんだから……‼
私は気合いを入れ直して、行ってしまったレイと殺人鬼を追った……。