The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第6章 Daydream ー夢ー
「……だいぶ前になるけれど、悠が1度だけそう呼んでくれたの……。
それが、とても気に入ったから……。」
レイチェル……。
いや、レイは静かにそう言った。
私は少しだけ首を傾げる。
……そんな呼び方、したっけ…?
…けれど、レイがそう言うのならそうなのだろう。
私は1つ頷いて返答した。
『……うん。わかった。』
私がそう答えると、レイは満足そうに1度ふわりと微笑んだ。
……ほんの、少しだけ…。
けれど、それは本当に可愛らしく見えた。
そんなことをしているうちに、エレベーターが止まった。
……今更だが、
私はいつの間にかエレベーターにへと運ばれていたらしい。
私はレイと殺人鬼と共に、3人でエレベーターの外へ足を踏み出した。