The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第2章 The dawn ー始まりー
…少し歩いたところに、文字が書かれてあった。
その丁寧でかつよそよそしい字体は、書いたであろうその人物を想像するのには簡単だった。
"君はいったい誰で、何者か"
"自身で確かめてみるべきである"
"本来の姿か、望む姿か"
"天使か生贄か"
"己を知れば門は開かれる"
『……何これ。
意味不明……。』
「…わからないね。」
『だよね。
あ。…そこの部屋へ入ってみようか。』
「……うん。」
更に少し歩を進めると、別の部屋があった。
ドアノブに手をかけ、ぐっと押す。
ドアに鍵はかかっておらず、簡単に開いた。