The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第5章 Floor B5 ー地下5階ー
ー ___…けて 助…… ー
ー …い 怖い… ー
ー ___三人……のに ー
ー こ…にいる…… 私…け ー
ー ___…しにくる 殺………… ー
ー ………うち、…だけが……れる ー
目を凝らして壁を見つめるも、埃をかぶってしまっているその壁の文字は、所々しか読むことは出来なかった。
……文字を読むためには……。
私は、腕を伸ばして……その埃っぽい壁を手で払った……。
ー __助けて 助けて ー
ー 怖い 怖い ー
ー __三人いたのに ー
ー ここにいるのは私だけ ー
ー 殺しにくる 殺しにくる ー
ー 三人のうち、私だけが殺される ー
ー __まるで、それが当然のように ー
ー ここの奴らは私を殺しにくる ー
ー __あいつらを解放したのは誰? ー
ー __助けて 助けて 神様 ー
『…何、これ……。』
意味が理解できない、壁のその傷のような文章を見て、私は少し後ずさって困惑してそう呟いた。
ードンッ……ー
『っ……!?』
後ろに下がった私は、何かに当たった……。