The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第5章 Floor B5 ー地下5階ー
「……悠。
この人はダニー先生。
……私の、カウンセリングの先生だよ。」
『カウンセリングの…先生……。』
ふと…レイチェルが、B7でコンピューターに答えた内容を思い出して複雑な気持ちになった。
「……悠。
さっき襲ってきたアレは、"殺人鬼"なんだって。
……でも、ルールがあるみたいでもう追っては来ない。
だから、もう大丈夫……。」
『……良かった。
本当に。君が無事で……。』
「……?」
私はレイチェルの言葉に小さく微笑んで、その頭をそっと撫でた。
レイチェルは、おそらく……私の言っていることの本当の意味を理解してはいないだろう……。
それで良い。
その方が良いんだ……。